5.09 『アウト』
(a)バッターアウト
   バッターは、次の場合、アウトとなる。
(1)フェア飛球またはファウル飛球(ファウルチップを除く)が、野手に正規に捕らえられた場合。
「原注1」野手は捕球するためにダッグアウトの中に手を差し伸べることはできるが、足を踏み込むことはできない。野手がボールを確捕すれば、それは正規の捕球となる。ダッグアウトまたはボールデッドの箇所(たとえばスタンド)に近づいてファウルフライを捕らえるためには、野手はグラウンド(ダッグアウトの縁を含む)上または上方に片足または両足を置いておかなければならず、またいずれの足もダッグアウトの中またはボールデッドの箇所の中に置いてはならない。正規の補給の後、野手がダッグアウトまたはボールデッドの箇所に踏み込んだり、倒れこんだ場合、ボールデッドとなる。倒れ込まない限り、ボールインプレイである。ランナーについては5.06(b)(3)(C)「原注」参照。
 捕球とは、野手がインフライトの打球、投球または送球を手またはグラブでしっかりと受け止め、かつ、それを確実につかむ行為であって、帽子、プロテクターあるいはユニフォームのポケットまたは他の部分で受け止めた場合は捕球とはならない。
 またボールに触れると同時、あるいはその直後に他のプレーヤーや壁と衝突したり倒れた結果、落球した場合は捕球ではない。
 野手が飛球に触れ、そのボールが攻撃チームのメンバーまたは審判員に当たった後に、いずれの野手がこれを捕らえても捕球とはならない。
 野手がボールを受け止めた後、これに続く送球動作に移ってからボールを落とした場合は、捕球と判定される。
 要するに、野手がボールを手にした後、ボールを確実につかみ、かつ、意識してボールを手放したことが明らかであれば、これを落とした場合でも捕球と判定される。
「原注2」野手がボールを地面に触れる前に捕らえれば、正規の捕球となる。その間、ジャッグルしたり、あるいは他の野手に触れることがあっても差し支えない。
 ランナーは、最初の野手が飛球に触れた瞬間から塁を離れて差し支えない。
 野手はフェンス、手すり、ロープなど、グラウンドと観客席との境界線を越えた上空へ身体を伸ばして飛球を捕らえることは許される。また野手は手すりの頂上やファウルグラウンドにおいてある、キャンバスの上に飛び乗って飛球を捕らえることも許される。しかし野手がフェンス、手すり、ロープなどを越えた上空やスタンドへ身体を伸ばして飛球を捕らえようとすることは危険を承知で行うプレイだから、たとえ観客にその飛球を妨げられても観客の妨害行為に対してはなんら規則上の効力は発生しない。
 ダッグアウトの縁で飛球を捕らえようとする野手が中へ落ち込まないように中にいるプレーヤー(いずれのチームかを問わない)によって身体を支えられながら捕球した場合正規の捕球となる。
「注」キャッチャーが身に着けているマスク、プロテクターなどに触れてからはね返ったフライを地面に落とさず捕らえれば、正規の”捕球”となる。(ファウルチップについては、定義34参照)ただし、手またはミット以外のもの、例えばプロテクターあるいはマスクを用いて捕らえたものは正規の捕球とはならない。
(2)第三ストライクと宣告された投球を、キャッチャーが正規に捕球した場合。
「原注」”正規の捕球”ということは、まだ地面に触れていないボールがキャッチャーのミットの中に入っているという意味である。ボールがキャッチャーのユニフォームまたは用具に止まった場合は、正規の捕球ではない。また球審に触れてはね返ったボールを捕らえた場合も同様である。チップしたボールが最初にキャッチャーの手またはミットに触れてから身体または用具に当たってはね返ったのを、キャッチャーが地上に落ちる前に捕球した場合ストライクであり、第三ストライクに当たるときはバッターはアウトである。またチップしたボールが最初にキャッチャーの手またはミットに当たっていれば、キャッチャーが身体または用具に手またはミットをかぶせるように捕球することも許される。
(3)無死または1死で1塁にランナーがあるとき、第三ストライクが宣告された場合。
「注」無死または1死で1塁(1・2塁、1・3塁、1・2・3塁のときも同様)にランナーがいた場合には、第三ストライクと宣告された投球をキャッチャーが後逸したりまたはその投球が球審かキャッチャーのマスクなどに入り込んだ場合でも、本項が適用されてバッターはアウトになる。
(4)2ストライク後の投球をバントしてファウルボールになった場合。
(5)インフィールドフライが宣告された場合。
(6)2ストライク後バッターが打った(バントの場合も含む)が、投球がバッドに触れないで、バッターの身体に触れた場合。
(7)野手(ピッチャーを含む)に触れていないフェアボールが、バッターランナーに触れた場合。ただし、バッターがバッタースボックス内にいて、打球の進路を妨害しようとする意図がなかったと審判員が判断すれば、バッターに当たった打球はファウルボールとなる。
(8)バッターが打つかバントしたフェアの打球にフェア地域内でバットが再び当たった場合。
 ボールデッドとなってランナーの進塁は認められない。
 これに反してフェアの打球が転がってきてバッターが落としたバットにフェア地域内で触れた場合はボールインプレイである。ただし、バッターが打球の進路を妨害するためにバットを置いたのではないと審判員が判断したときに限られる。
 バッターがバッタースボックス内にいて、打球の進路を妨害しようとする意図がなかったと審判員が判断すれば、バッターの所持するバットに再び当たった打球はファウルボールとなる。
「原注」バットの折れた部分がフェア地域に飛びこれに打球が当たったときまたはバットの折れた部分がランナーまたは野手に当たったときは、プレイはそのまま続けられ妨害は宣告されない。打球がバットの折れた部分にファウル地域で当たったときは、ファウルボールである。バット全体がフェア地域またはファウル地域に飛んでプレイを企てている野手(打球を処理しようとしている野手だけでなく、送球を受けようとしている野手も含む)を妨害したときには、故意であったか否かの区分なく妨害が宣告される。打撃用ヘルメットに偶然、打球がフェア地域で当たるか、または送球が当たったときは、ボールインプレイの状態が続く。打球がファウル地域で打撃用ヘルメット、地面以外の異物に触れたときはファウルボールとなり、ボールデッドとなる。ランナーがヘルメットを落としたりボールに投げつけて打球または送球を妨害しようとする意図があったと審判員が判断したときには、そのランナーはアウトになりボールデッドとなって、他のランナーは打球に対してのときはピッチャーの投球当時占有していた塁、送球に対してのときは妨害発生の瞬間に占有していた塁に帰らなければならない。
「注」本項前段を適用するに当たっては、バッターがバットを所持していたかどうかを問わない。
(9)バッターが打つかバントした後、1塁に走るに当たって、まだファウルと決まらないままファウル地域を動いている打球の進路を、どんな方法であろうとも故意に狂わせた場合。ボールデッドとなってランナーの進塁は認められない。
(10)バッターが第三ストライクの宣告を受けた後またはフェアボールを打った後、1塁に触れる前に、その身体または1塁にタッグされた場合。
「注」タッグするに際しては、まずボールを保持して触れることが必要なことはもちろん、タッグ後においても確実にボールを保持していなければならない。また野手がボールを手にしていてもそのボールをグラブの中でジャッグルしたり、両腕と胸とでボールを抱き止めたりしている間は、確実に捕らえたとはいえないから、例えばッターが1塁に触れる前に野手が塁に触れながらボールを手にしていても、確捕したのがバッターが1塁に触れた後であればそのバッターはアウトにならない。
(11)1塁に対する守備が行われているとき、本・1塁間の後半を走るに際して、バッターがスリーフットラインの外側(向かって右側)またはファウルラインの内側(向かって左側)を走って、1塁への送球を捕えようとする野手の動作を妨げたと審判員が認めた場合。この際は、ボールデッドとなる。ただし、打球を処理する野手を避けるためにスリーフットラインの外側(向かって右側)またはファウルラインの内側(向かって左側)を走ることは差し支えない。
「原注」スリーフットラインを示すラインは、そのレーンの一部であり、バッターランナーは両足をスリーフットラインの中もしくはスリーフットラインのライン上に置かなければならない。
(12)無死または1死でランナー1塁、1・2塁、1・3塁または1・2・3塁のとき内野手がフェアの飛球またはライナーを故意に落とした場合。ボールデッドとなって、ランナーの進塁は認められない。
「規則説明」内野手が打球に触れないでこれを地上に落としたときには、バッターはアウトにならない。ただし、インフィールドフライの規則が適用された場合は、この限りではない。
「注1」本項は容易に捕球できるはずの飛球またはライナーを、内野手が地面に触れる前に片手または両手で現実にボールに触れて、故意に落とした場合に適用される。
「注2」ピッチャー、キャッチャー及び外野手が内野で守備した場合は、本項の内野手と同様に扱う。またあらかじめ外野に位置していた内野手は除く。
(13)野手があるプレイを成し遂げるために、送球を捕らえようとしているかまたは送球しようとしているのを前位のランナーが故意に妨害したと審判員が認めた場合。
「原注」この規則は攻撃側プレーヤーによる許しがたい非スポーツマン的な行為に対するペナルティとして定められたものであって、ランナーが塁を得ようとしないで、併殺プレイのピボットマン(併殺の際、ボールを継続するプレーヤー。すなわち遊撃手―2塁手―1塁手と渡る併殺ならば2塁手、2塁手―遊撃手―1塁手の併殺ならば遊撃手がピボットマンである)を妨害する目的で、明らかにベースラインから外れて走るような場合適用されるものである。
「注」まだアウトにならない前位のランナーの妨害行為に対する処置は、本項では定めていないように見えるが、5.09(b)(3)に規定してあるとおり、このような妨害行為に対しては、そのランナーはもちろんバッターも共にアウトにする規則であって、このような粗暴な行為を禁止するために規定された条項である。すでにアウトになったランナーの妨害行為に対しては、6.01(a)(5)に規定されている。
(14)2死2ストライク後ホームスチールを企てた3塁ランナーが、バッターへの正規の投球にストライクゾーンで触れた場合。
 この際バッターは、第三ストライクの宣告を受けてアウトとなり、そのランナーの得点は認められない。しかし、無死または1死であれば、バッターは第三ストライクの宣告を受けてアウトとなりボールデッドになるが、その得点は認められる。
「注」無死または1死の場合には他の塁のランナーにも、次塁への走塁行為があったかどうかに関係なく、1個の進塁が許される。(5.06c8参照)
(15)ランナーを除く攻撃側チームのメンバーが、打球を処理しようとしている野手の守備を妨害した場合。(6.01b参照。ランナーによる妨害については5.09b3参照)
(b)ランナーアウト
   次の場合、ランナーはアウトとなる。
(1)ランナーが、野手のタッチを避けて、ランナーのベースパスから3フィート以上離れて走った場合。
 ただし、打球を処理している野手を妨げないための行為であれば、この限りではない。
 この場合のランナーのベースパスとは、タッグプレイが生じたときの、ランナーと塁を結ぶ直線をいう。
「注1」通常ランナーの走路とみなされる場所は、塁間を結ぶ直線を中心として左右へ各3フィート、すなわち6フィートの幅の地帯を指すが、ランナーが大きく膨らんで走っているときなど最初からこの走路外にいたときにタッグプレイが生じた場合は、そのランナーと塁を結ぶ直線を中心として左右へ各3フィートが、そのランナーの走路となる。
「注2」本項の”ただし”以下は、野手がランナーの走路内で打球を処理しているとき、これを妨げないためにランナーが走路外を走っても、アウトにならないことを規定しているものであって、打球処理後にタッチプレイが生じたときには、本項の前段の適用を受けることはもちろんである。
(2)1塁に触れてすでにランナーとなったプレーヤーがベースラインから離れ、次の塁に進もうとする意思を明らかに放棄した場合。
「原注」1塁に触れてすでにランナーとなったプレーヤーが、もはやプレイは続けられていないと思い込んで、ベースラインを離れてダッグアウトか守備位置の方へ向かったとき、審判員がその行為を走塁する意思を放棄したとみなすことができると判断した場合、そのランナーはアウトを宣告される。この際たとえアウトが宣告されても他のランナーに関してはボールインプレイの状態が続けられる。 この規則は、次のプレイなどに適用される。
例=無死または1死で、同点の最終回、ランナー1塁のときバッターが競技場の外へサヨナラホームランを打った。1塁ランナーは2塁を過ぎてからホームランで自動的に勝利が決まったと思い込み、ダイヤモンドを横切って自分のベンチに向かった。この間、バッターは本塁に向かって進んでいたような場合、ランナーは、“次塁に進もうとする意思を放棄した”という理由で、アウトを宣告され、バッターランナーは各塁を踏んで行ってホームランを生かすことが許される。もし、2死後ならば、ホームランは認められない(5.09d参照)。これはアピールプレイではない。
例=ランナーが1塁または3塁でタッチされてアウトを宣告されたと思い込んでダッグアウトに向かいだし、依然としてアウトだと思い込んでいる様子が明らかだと審判員が認めるのに適当な距離まで進んでいるときには、ランナーは進塁を放棄したという理由でアウトが宣告される。
「注」フォースの状態におかれているランナーに対しては、本項を適用しない。
(3)ランナーが、送球を故意に妨げた場合または打球を処理しようとしている野手の妨げになった場合。
ペナルティ ランナーは、アウトとなり、ボールデッドとなる。(6.01a妨害に対するペナルティ参照。)
「注1」“野手が打球を処理する”とは、野手が打球に対して守備しはじめてから打球をつかんで送球し終わるまでの行為をいう。従って、ランナーが前記のどの守備行為でも妨害すれば、打球を処理しようとしている野手を妨げたことになる。
「注2」ランナーが5.09(a)(11)、5.09(b)(1)項規定の走路を走っていた場合でも、打球を処理しようとする野手の妨げになったと審判員が判断したときには、本項の適用を受けてランナーはアウトになる。
(4)ボールインプレイでランナーが塁を離れているときにタッチされた場合。
「例外」バッターランナーが1塁に走るときは、直ちに帰ることを条件としてならば、オーバーランまたはオーバースライドして1塁を離れているときタッチされても、アウトにはならない。
「規則説明A」ランナーがいったん安全に塁に達した後、ランナーの衝撃で塁のバッグが定位置から離れたときはそのランナーに対していかなるプレイもできない。
「規則説明B」あるプレイ中に塁のバッグまたはホームプレートが定位置から離れたとき、引き続いて、次のランナーが進塁してきて、元の塁が置かれていた地点に触れるかまたはその地点にとどまれば、そのランナーは正規に塁に触れたものまたは正規に塁を占有したものとみなされる。
「注1」フォアボールを得たバッターが1塁に進むに際しては、直ちに帰ることを条件としてなら、1塁に触れた後走り越すことは許される。
「注2」野手がランナーにタッチしようとするときには、ランナーもアウトを免れようと、激しく触塁する場合が多く、野手とランナーとが衝突した結果、野手がボールを落としたときは、タッチ後にボールを確実に保持していないことになるから、ランナーはアウトにはならない。また野手がランナーにタッチした後も、これを確実に握っていなければならず、たとえボールを地上に落とさなくても、手の上でジャッグルなどした場合には、ランナーはアウトにはならない。野手がタッチした後、どのくらい確保すればよいかは、一に審判員の判断に待つべきである。(定義15参照)
(5)フェア飛球、ファウル飛球が正規に捕えられた後ランナーが帰塁するまでに野手に身体またはその塁にタッチされた場合。ただし、ピッチャーがバッターへの次の1球を投じてしまうか、またはたとえ投球しなくてもその前にプレイをしたりプレイを企ててしまえば帰塁をしていないと理由によってランナーがアウトにされることはない。この場合は、アピールプレイである。
「原注」ランナーは、ファウルチップの際はタッグアップする必要はないから、盗塁することもできる。しかし、チップしたボールをキャッチャーが捕えなかった場合は、ファウルボールとなるから、ランナーは元の塁へ戻らなければならない。
「注」飛球が捕えられたとき、ランナーが帰塁しなければならない塁とは、進塁の起点となる塁、すなわち、ピッチャーの投球当時ランナーが占有していた塁を指す。
(6)バッターがランナーとなったために進塁の義務が生じたランナーが次の塁に触れる前に野手がそのランナーまたはその塁にタッチした場合。(このアウトはフォースアウトである)ただし、後位のランナーがフォースプレイで先にアウトになれば、フォースの状態でなくなり前位のランナーには進塁の義務がなくなるから身体にタッチされなければアウトにはならない。またランナーが塁に触れた後、余勢でオーバースライドまたはオーバーランした場合には塁に触れた瞬間に進塁の義務を果たしたことになるから、そのランナーは身体にタッチされなければアウトにはならない。(このアウトはフォースアウトではなく、タッチアウトである)しかし、進塁の義務を生じたランナーが次塁に触れた後どのような理由にせよ、その塁を捨ててもとの塁の方へ離れた場合は、再びフォースの状態におかれるから野手にその身体または進塁すべき塁にタッチされればそのランナーはアウトになる。(このアウトはフォースアウトである)
「原注」オーバースライドまたはオーバーランは2塁及び3塁で起こり、1塁ではこの状態は起こらない。
 例えば、無死または1死でランナー1・2塁もしくは、1・2・3塁とする。打球は内野手に飛び、その内野手はダブルプレイを試みた。1塁ランナーは2塁への送球より早く2塁に触れたが、オーバースライドした。ボールは1塁にリレーされ、バッターはアウトになった。1塁手は、2塁ランナーが離塁しているのを見て2塁に送球してそのランナーをアウトにしたがその間に他のランナーは本塁に入った。「問」これはフォースプレイか。バッターが1塁でアウトになったとき、フォースプレイでなくなったのか。このプレイ中に、2塁でランナーがアウトにされて第三アウトになる前に、本塁に入っていたランナーの得点は認められるか。「答」フォースプレイではなく、タッグプレイであるから、得点は記録される。
「注1」本項は、フォースアウトの規定であり、バッターがランナーとなったために、塁にいたランナーに進塁の義務が生じたときに、野手が、
@そのランナーが次の塁に触れる前に、その塁にタッチした場合
Aそのランナーが次の塁に触れる前に、そのランナーにタッチした場合
Bそのランナーが次の塁へ進もうとしないで元の塁にとどまっているときそのランナーにタッチした場合
 を指し、特にBの場合は、後位のランナーがアウトにならない限り、その塁の占有権はすでに失われているから、たとえそのランナーが塁に触れていても、野手がそのランナーにタッチすればアウトになる。(5.06b2参照)
「注2」例えば、1塁ランナーが打球とともに走り出して、いったん2塁に触れた後、その打球が飛球として捕えられようとするのを見て、1塁へ戻ろうとしたとき、フライを落とした野手からの送球を受けた2塁手は、ランナーが再び2塁に達するまでに2塁にタッチした。この場合、はじめに2塁を踏んだことは取り消され、フォースアウトと認めれらる。
(7)ランナーが、内野手(ピッチャーを含む)に触れていないか、または内野手(ピッチャーを除く)を通過していないフェアボールに、フェア地域で触れた場合。
 この際はボールデッドとなり、バッターがランナーとなったため次塁への進塁が許されたランナーの他は、得点することも進塁することも認められない。(5.06c6、6.01a11参照)
 インフィールドフライと宣告された打球が、塁を離れているランナーに触れたときはバッター、ランナーともにアウトになる。
「例外」インフィールドフライと宣告された打球が、塁についているランナーに触れた場合、そのランナーはアウトにならず、バッターだけがアウトとなる。
「原注」2人のランナーが同一のフェアボールに触れたときは、最初に触れた1人だけがアウトになる。これは、打球がランナーに触れたとき、直ちにボールデッドとなる。
「注1」バッターの打ったフェアボールが野手に触れる前にランナーに触れたときはランナーが守備を妨害しようとして故意に打球に触れた場合(併殺を行わせまいとして故意に打球を妨害した場合を除く)と走塁中やむなく触れた場合との区別なくランナーはアウトになる。また一旦内野手に触れた打球に対して守備しようとする野手をランナーが妨げたときには5.09(b)(3)によってアウトにされる場合もある。
「注2」@内野手を通過する前に、塁に触れて反転したフェアボールに、ランナーがフェア地域で触れた場合、そのランナーはアウトになり、ボールデッドとなる。
A内野手を通過した直後に、塁に触れて反転したフェアボールに、ランナーがその内野手の直後のフェア地域で触れた場合、この打球に対して他のいずれの内野手も守備する機会がなかった場合に限り、打球に触れたという理由でアウトにはならない。
「注3」一度塁に触れて反転したフェアボールが、ファウル地域でランナーに触れた場合は、そのランナーはアウトにはならず、ボールインプレイである。
「注4」本項でいう塁とは飛球が打たれたときのピッチャーの投球当時にランナーが占有していた塁をいう。
「注5」インフィールドフライと宣告された打球がランナーに触れた場合は、そのランナーが塁についていてもいなくても、ボールデッドとなる。
(8)無死または1死で、ランナーが得点しようとしたとき、バッターが本塁における守備側のプレイを妨げた場合。2死であればインターフェアでバッターがアウトとなり、得点は記録されない。(6.01a1・3、6.03a3参照)
「注1」ここにいう“本塁における守備側のプレイ”とは、野手(キャッチャーも含む)が、得点しようとしたランナーにタッグしようとするプレイ、そのランナーを追いかけてタッグしようとするプレイ及び他の野手に送球してそのランナーをアウトにしようとするプレイを指す。
「注2」この規定は、無死または1死で、ランナーが得点しようとした際、本塁における野手のプレイを妨げたときの規定であって、ランナーが本塁に向かってスターを切っただけの場合とか、一度本塁へは向かったが途中から引き返そうとしている場合には、バッターがキャッチャーを妨げることがあっても、本項は適用されない。
 例えば、キャッチャーがボールを捕らえてランナーにタッチしようとするプレイを妨げたり、ピッチャーが投手板を正規に外して、ランナーをアウトにしようとして送ったボール(投球でないボール)をバッターが打ったりして、本塁の守備を妨げた場合には、妨害行為を行ったバッターをアウトにしないで、守備の対象であるランナーをアウトにする規定である。
「注3」本項は、本塁の守備を妨げたのがバッターであった場合に限って適用されるのであって打撃を完了してバッターからランナーになったばかりでまだアウトにならないバッターが妨害を行ったときには適用されない。例えば、スクイズバントをしたバッターがバントした打球に触れるかまたは打球を処理しようとする野手の守備を妨げたために3塁ランナーが本塁でのアウトを免れることになったような場合には、バッターはすでにランナーとなっているから5.09(a)(7)、5.09(b)(3)によって、そのバッターランナーがアウトとなりボールデッドとなって、3塁ランナーをピッチャーの投球当時すでに占有していた塁、すなわち3塁へ帰らせる。バッターが第3ストライクの宣告を受けただけでまだアウトにならないとき及びフォアボールの宣告を受けたときの妨害に関しては、6.01(a)(1)「注」に示されている。
(9)後位のランナーがアウトとなっていない前位のランナーに先んじた場合。(後位のランナーがアウトとなる。)
「注1」ボールインプレイ中に起きた行為(例えば、悪送球、ホームランまたは柵外に出たフェアヒットなど)の結果、ランナーに安全進塁権が認められた場合にも本項は適用される。
「注2」この項はランナーの位置が入れ代わったときに後位のランナーをアウトにすることを意味する。例えば2塁のランナーを甲、1塁のランナーを乙とすれば1塁ランナー乙が2塁ランナー甲を追い越したときはもちろん逆走の際など、2塁ランナー甲が1塁ランナー乙を追い越す形をとって、本来本塁から遠くにあるべき乙と近くにあるべき甲との位置が入れ代わった場合でも常に後位の乙がアウトになることを規定している。
「原注」後位のランナーの行動または前位のランナーの行動によって、後位のランナーは前位のランナーに先んじたとみなされる場合がある。
例‐1アウトランナー2・3塁のとき、3塁ランナー(前位のランナー)が本塁へ進塁しようとして3塁本塁間のランダウンプレイとなった。2塁ランナー(後位のランナー)は前位のランナーがタッグアウトになると思い、3塁に進んだ。3塁ランナーはタッグされずに3塁に戻り、レフト方向にベースを踏み越えてしまった。このとき、後位のランナーは、前位のランナーの行動によって前位のランナーに先んじたことになる。結果として、後位のランナーはアウトとなり、3塁は占有されていないことになる。前位のランナーが3塁を放棄してアウトと宣告されていない限り、前位のランナーはアウトになる前に3塁に戻れば3塁を占有する権利がある。5.06(a)(1)参照。

(10)ランナーが正規に塁を占有した後に塁を逆走したときに守備を混乱させる意図あるいは試合を愚弄する意図が明らかであった場合。この際、審判員は直ちにタイムを宣告してそのランナーにアウトを宣告する。
「原注」ランナーがまだ占有していない塁に到達した後、飛球が捕らえられたと思ったり、元の占有塁に帰るようにおびき出されて元の塁に帰ろうとした場合、途中でタッチされればアウトになる。しかし、元の占有塁に帰りついたら、その塁についている限り、タッグされてもアウトにならない。
「注」例えば、1ゴロを打ったバッターが1塁手のタッチを避けようとして、側方に離れて走らない限り、逆走するようなことは差し支えないが、本塁に達するとアウトになる。
(11)ランナーが1塁をオーバーランまたはオーバースライドした後、直ちに1塁に帰塁しなかった場合。
 1塁をオーバーランまたはオーバースライドしたランナーが2塁へ進もうとする行為を示せば、タッグされればアウトになる。
 また1塁をオーバーランまたはオーバースライドしたランナーが直ちに帰塁しないでダッグアウトまたは自己の守備位置に行こうとした場合も、野手がランナーまたは塁にタッチしてアピールすればアウトとなる。
「原注」2死後、1塁に触れてオーバーランしたが、審判員によって“セーフ”の宣告を受けたバッターランナーは、5.08(a)を適用する上では、“1塁に達した”ことになり、“ただちに”1塁に帰塁しなかったために第三アウトになっても、このプレイ中にアウトより先に本塁に達していたランナーは、得点として認められる。
(12)ランナーが本塁に走り込むかまたは滑り込んだ際に、本塁に触れないで、しかも本塁に触れ直そうとしないときに、野手がボールを持って本塁に触れて審判員にアピールした場合。(5.09c4参照)
「原注」本項は、本塁に触れなかったランナーがベンチに向かっており、アウトにするためにはキャッチャーがそのランナーを追いかけなければならないような場合に適用される。本塁を踏み損ねたランナーが、タッグされる前に踏み直そうと努力しているような普通のプレイが行われているときには適用されない。この場合には、ランナーはタッグされなければアウトにならない。
(13)ランナーを除く攻撃側チームのメンバーが、あるランナーに対して行われた送球を処理しようとしている野手の守備を妨害した場合。(6.01b参照。ランナーによる妨害については5.09b3参照)
(c)アピールプレイ
   次の場合アピールすればランナーはアウトになる。
(1)飛球が捕らえられた後ランナーが再度の触塁(リタッチ)を果たす前に、身体あるいはその塁にタッグされた場合。
「原注」ここでいう“リタッチ”とは捕球後塁に触れた状態から次塁へスタートすることをいう。従って、塁の後方からスタートして走りながら塁に触れて次塁へ進もうとするいわばフライングスタートは正規のリタッチの方法ではない。
(2)ボールインプレイのときランナーが進塁または逆走に際して各塁に触れ損ねたとき、その塁を踏み直す前に身体または触れ損ねた塁にタッグされた場合。(5.06b1参照)
「規則説明」塁を空過したランナーは、
(A)後位のランナーが得点してしまえばその空過した塁を踏み直すことは許されない。
(B)ボールデッドのもとでは空過した塁の次の塁に達すればその空過した塁を踏む直すことは許されない。
「原注」例=バッターが競技場の外へ場外ホームランを打つかスタンドに入る2塁打を打って1塁を空過した(ボールデッド)。=バッターは2塁に触れる前ならば誤りを正すために1塁に帰ることはできる。しかし、2塁に触れてしまうと1塁に戻ることができない。守備側がアピールすれば1塁でアウトが宣告される。
例=バッターがショートにゴロを打ちショートはスタンドに飛び込む悪送球をした(ボールデッド)。=バッターは1塁を空過したが悪送球によって2塁が与えられた。バッターランナーは審判員によって2塁が与えられても2塁に進む前に1塁に触れなければならない。
 いずれもアピールプレイである。
「注1」本項「規則説明」(A)は、ボールインプレイとボールデッドとを問わず適用される。
「注2」本項「規則説明」の場合、塁を空過したランナーはアピールがなければアウトにならない。
「注3」本塁を空過したランナーはボールデッドのもとでは、ピッチャーが新しいボールかもとのボールを持って正規に投手版に位置すれば本塁を踏み直すことは許されない。
「注4」本項「規則説明」は飛球が捕らえられたときのリタッチが早かったランナーにも適用される。
(3)ランナーが1塁をオーバーランまたはオーバースライドした後、直ちに帰塁しないとき、1塁に帰塁する前に身体または塁にタッグされた場合。(5.09b11参照)
(4)ランナーが本塁に触れずしかも本塁に触れ直そうとしないとき本塁にタッグされた場合。(5.09b12参照)
 本項規程のアピールは、ピッチャーがバッターへの次の1球を投じるまで、またはたとえ投球しなくてもその前にプレイをしたりプレイを企てるまでに行わなければならない。
 イニングの表または裏が終わったときのアピールは、守備側チームのプレーヤーが競技場を去るまでに行わなければならない。
 アピールはその消滅の基準となるプレイまたはプレイの企てとはみなされない。 ピッチャーがアピールのために塁に送球しスタンドの中などボールデッドの箇所にボールを投げ込んだ場合には、同一ランナーに対して同一塁についてのアピールを再びすることは許されない。
 第三アウトが成立した後、他にアピールがあり審判員がそのアピールを支持した場合には、そのアピールアウトがそのイニングにおける第三アウトとなる。
 また、第三アウトがアピールによって成立した後でも守備側チームは、このアウトより他に有利なアピールプレイあればその有利となるアピールアウトを選んで、先の第三アウトと置き換えることができる。
 “守備側チームのプレーヤーが競技場を去る”とあるのは、ピッチャー及び内野手がベンチまたはクラブハウスに向かうためにフェア地域を離れたことを意味する。
「5.09c原注」アピールするときにピッチャーがボークをした場合にはその消滅の基準となるプレイとみなされる。
 アピールは言葉で表現されるか審判員にアピールとわかる動作によってその意図が明らかにされなければならない。プレーヤーがボールを手にして塁に何気なく立ってもアピールをしたことにはならない。アピールが行われているときはボールデッドではない。
「注1」アピール権消滅の基準となるプレイにはピッチャーのプレイはもちろん野手のプレイも含まれる。例えばバッターがワンバウンドで外野席に入るヒットを放って2塁に達したが途中1塁を空過していた。プレイ再開後ピッチャーが1塁へアピールのために送球したところ悪送球となってプレイングフィールド内を転々とした。これを拾った1塁手が1塁でアピールをすることはできるが2塁ランナーがその悪送球を利して3塁へ走ったのを見て3塁へ送球してしまえば1塁でのアピール権は消滅する。
「注2」攻守交代の場合と試合終了の場合との区別なく、いずれの場合でもピッチャー及び内野手がフェア地域を離れたときにアピール権が消滅することとする。アマチュア野球では試合終了後の場合に限って両チームが本塁に整列したときアピール権は消滅することとする。
「注3」アピールするには言葉と動作とではっきりとその旨を表示しなければならない。なお、ある一つの塁を2人以上のランナーが通過した際その塁の空過を発見してアピールするには、どのランナーに対するアピールであるかを明示しなければならない。例えば、甲、乙、丙の3ランナーが3塁を通過し乙が3塁を踏まなかったときは、乙に対するアピールである旨を明示しなければならないが、もしこのとき甲が空過したと誤って申し出て審判員に認められなかった場合でも、その塁を空過したランナーの数まではアピールを繰り返して行うことができる。
「問」1死ランナー1・3塁のときバッターは外野に大飛球を打ったので2ランナーはともに進塁し初めたが、外野手はこの飛球を好捕した。離塁の少なかった3塁ランナーは3塁へ帰って捕球後改めて本塁へ入った。1塁ランナーは2塁に触れた後3塁近くまで行ったが1塁に帰ろうと逆走し始めたので外野手は2塁に送球、2塁手は1塁ランナーが2塁に触れる前に塁上でボールを持ってアピールした。ダブルプレイか。
「答」ダブルプレイではない。そのランナーが1塁に帰るためには2塁を通る必要があるからといって2塁にタッチしてもアウトにはできない。そのランナーにタッグするかまたは進塁の起点となる塁、すなわち1塁にタッグしなければならない。
「問」1死ランナー1塁のときバッターが外野へ大飛球を打ちランナーが2塁を回って3塁近くまで行ったとき飛球が捕らえられたので2塁に触れないで1塁へ帰ろうとした。 どんな方法でアピールをすればランナーをアウトにできるか。
「答」ランナーにタッグするか2塁または1塁にタッグしてアピールすればよい。
「問」2死ランナー2塁のときバッターが3塁打を打ちランナーを得点させたが、バッターは1塁も2塁も踏まなかった。守備側は2塁にタッグしてアピールしアウトが宣告された。得点となるか。
「答」得点は認められる。しかし守備側が最初から1塁でアピールしておれば得点は認められない。また2塁から1塁に転送球して再びアピールすれば1塁でのアピールアウトを先の第三アウトと置き換えることができるから、得点とはならない。
「問」1死ランナー1・2塁バッターが右翼へ大飛球を打ったときヒットになると思った2ランナーはフライが飛んでいる間進塁し続け、右翼手がこれを捕らえたにもかかわらず、2塁ランナーはそのまま本塁を踏んだ。しかし1塁ランナーは捕球されたのを見て1塁に引き返そうとした。右翼手は1塁へ送球、1塁手は1塁ランナーが帰塁するより先に塁にタッグしてアウトにした。2塁ランナーは1塁ランナーがアウトになるより先に本塁を踏んでいるがその得点は認められるか。
「答」守備側が2塁でアピールしない限り2塁ランナーの得点は認められる。しかし、守備側はアピールによる第三アウトの成立後であってもこのアウトよりも有利となるアピールアウトを先の第三アウトと置き換えることができるから2塁でアピールすればリタッチを果たしていない2塁ランナーはアウトになり得点とはならない。
(d)前位のランナーの触塁失敗
 無死または1死のとき前位のランナーがある塁に触れ損ねるかリタッチを果たさなかったとしても、正しく各塁に触れて進んだ後位のランナーは、前位のランナーの責を負ってその正しい走塁を取り消されることはない。
 ただし、2死後前位のランナーがアピールによって3人目のアウトとなったときには、後位のランナーが正規に本塁を触れていてもそのランナーの得点は認められない。また、その第三アウトがフォースアウトの形をとったときには他のすべてのランナーが正規に本塁を触れていてもその得点は認められない。